『ゴリラは戦わない』山極 壽一、 小管正夫、中公新書ラクレ
食べ物を分配して時間を共有するという概念を持っているのは人間だけだそうです。
これは猿に教えても出来ないんだとか。
しかし、近年一個々人が「コスト」を意識しすぎる世の中になり、
一人で食事を取ったり、栄養を効率よく取るためだけに注力し始めてきており、
これによって元来あった人間を人間たらしめる食事文化が失われつつあることを、
著者は恐れています。
何かしらの食糧難(戦時中)とかになった時、食べ物を分配せず独り占めする人間が出てくる事がありますが、あれは人間らしさを忘れているということなのですね。
人間と動物(特に霊長類)を比較することで人間の特性、時には課題が浮かぶということが分かりました。
人間社会で生きていると、自分が動物である前提を忘れがちですが、僕は人間という種であるということを忘れてはならないと改めて思いました。
我々は大きな群れをなして生きている動物に過ぎないということを。
そう考えて行かないと他の動物と対等な関係であるということを忘れてしまうので地球で他の種と共存することが難しくなり、また人間の課題にも気づけないのではないでしょうか。
動物園に行きたい・・・